顎 関 節 症

有限責任中間法人日本顎関節学会はI〜V型に分類を行い、広く臨床に使用されている。

  • I型:咀嚼筋障害を主徴候とし、その病理は筋緊張と筋スパズム、筋炎である。顎関節部の運動痛と運動障害を僅かに生じることがあり、筋痛を強く生ずる。
  • II型:関節包、関節靭帯、円板後部組織の慢性外傷性病変を主徴候とし、顎関節部の運動痛と圧痛を強く生じ、関節雑音を生ずる。筋痛は弱い。関節鏡下で病変を認める。
  • III型:関節円板の転位や変性、穿孔、線維化を主徴候とする。クリッキングと呼ばれる関節雑音が顕著である。筋痛はなく、顎関節部の疼痛は弱い。
    • III型a:復位性関節円板転位:関節円板の位置関係が復位する時に関節雑音(クリック音)が確認できる。
    • III型b:非復位性関節円板転位:関節円板の位置が復位しない。ひっかかりのための開口障害や顎関節の疼痛がおこる。
  • IV型:変形性関節症。関節軟骨の破壊、下顎窩や下顎頭の骨吸収や変性・添加、関節円板や滑膜の変形異常などの退行性病変を主徴候とし、クレピタス音と呼ばれる関節雑音が顕著である。X線所見上も大きな異常を認めるようになる。
  • V型:上記のI~IV型のいずれにも該当しないが、顎関節領域に異常症状を訴える、心身医学的な要素を含むもの。
            ウイキペディア百科事典より抜粋 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%8E%E9%96%A2%E7%AF%80%E7%97%87


かみ合わせ治療で悪化

 きっかけは、生活上のストレスだった。東京都葛飾区の会社員女性Dさん(51)は7年前、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりが激しくなり、早朝に疲れて目覚める日が増えた。症状は約2年の間に、首の痛みや肩のこりに広がり、激しいめまいにも襲われた。耳鼻科や内科、整形外科を回ったが改善せず、不安感など精神症状も出たため、会社を1年半休んだ。

 良い治療法が見つからないまま仕事に復帰。あごがゆがんでいたこともあり、原因は歯並びにあるのでは、と考え、インターネットで(がく)関節症治療が専門という歯科医院を探して受診した。その歯科医は「削った方がいい」と小臼歯2本を削った。症状は改善するどころか、以前にないあごの痛みも出始めた。

 当時、奥歯が2本なかったため、今度は、人工の歯を植え込むインプラント治療に期待した。その分野に強いという診療所を受診すると、歯科医は「インプラントを利用した歯列矯正が必要。任せてくれれば顎関節症も治る」と断言した。

 前金100万円を支払った治療だが、埋め込んだ根に仮歯を付けた直後から、激しい食いしばりや頭痛、耳鳴り、めまいなどが始まり、仮歯を取って治療を中止した。さらに何か所も歯科医院を回り、昨春たどり着いたのが日本歯科大学付属病院顎関節症診療センター(東京・飯田橋)だ。

 2001年に設置された同センターは、生活習慣指導と、あご周辺の筋肉を包む「筋膜」をほぐす特殊なマッサージの併用で症状改善を目指している。センター長の原節宏さんは「顎関節症の多くは、姿勢などによる筋肉や筋膜の問題が関係している」と話す。

 原さんは、肩をゆるめてパソコン作業をする、枕を低くするなどを指導。月1回30分のマッサージは、首、肩に加え、患者によっては、口の中にも指を入れて行う。Dさんは次第にあごや体の痛み、めまいが消えた。

 「かみ合わせを治すと、良くなるという歯科医院の宣伝をたくさん見ました。情報に振り回され、だまされたような気持ちです」とDさんは振り返る。歯の治療が途中なので、流動食しか口にできないため、近く慎重に歯の治療を再開するつもりだ。

 顎関節症をかみ合わせ治療で治そうとして、悪化させる例は多い。原さんは「根拠があいまいなのに、後戻りできない治療は避けるべきだ」と警鐘を鳴らす。

(2009年4月1日  読売新聞 医療ルネッサンス)
【当院コメント】 顎関節症はあごの筋肉の不均衡からだけ来るのではなく、体全体の歪みを伴っています。
T O P
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